医療ビッグデータ+情報処理
もっともAIの成果が期待されているのが医療AIです.電子カルテテキストなど大量の臨床データの大規模解析技術を研究し,医学研究を推進しています. 例えば,次のようなテーマをこれまで扱ってきました.
・総合診療(プライマリケア)を支援する症例検索システム(医師用診断支援システム;AMED研究による):日本内科学会の症例報告を利用し,診断支援を行う研究を行いました.
・患者の医師のコミュニケーションを支えるプラットフォーム(内閣府SIP-AIホスピタルプロジェクトによる):患者の発話を医療に有効利用するため,患者表現を理解する言語処理システムを研究開発しています.
・肺がん症例類似症例検索システム(AIP-PRISM; 国立がんセンター共同研究):病名,部位,時間関係など深い言語処理解析を導入して,臨床的に妥当な観点で類似した症例を検索するシステムを研究開発しています.
・大規模病名辞書の構築(厚労科研荒牧班):本邦最大規模の30万病名を超える辞書を開発し,公開しています.
・患者の自主報告を診療に活かす患者一行日記アプリ開発(京都大学,関西医科大学共同研究):スマートフォンアプリを用いて,患者発信のデータを診断に活かす研究をしています.
・Twitterなどのソーシャルメディアからの医薬品有害事象のシグナル検出(富士ゼロックス共同研究):ウェブ上のさまざまな情報を用いて,医薬品のコンプライアンス,有害事象など医療者,製薬サイドにとって有用な情報を抽出しています.
それぞれ,本邦を代表するステークホルダーと迫力のある規模で研究を推進しています.