2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)
オーガナイズドセッション「生成AI時代に医歯薬学・生命科学の革新を目指すAI応用」
日時:2025年5月28日(水)09:00 〜 10:40
会場:大阪国際会議場+オンライン
オーガナイザ
- 矢田 竣太郎(筑波大学)
- 荒牧 英治(奈良先端科学技術大学院大学)
- 河添 悦昌(東京大学)
- 堀 里子(慶應義塾大学)
- 木﨑 速人(慶應義塾大学)
内容・テーマの例
大規模言語・マルチモーダルモデル(LLM, LMM)に基づく生成AIが社会実装され始めて久しい。学術への応用も盛んで、情報科学分野では生成AIによる研究自動化の例も見られるようになった。かねてより、自然言語処理や画像処理を医歯薬・生命科学分野に適用する研究は多数見られ,診断支援,フェノタイピング,副作用抽出などの応用が進展している。しかし医用画像システムが医療機器の認定を受け始めた以外には,医薬学研究や臨床現場での実用化、あるいは研究手法にパラダイムシフトを与えるような革新的な応用にはまだ課題が残されている。本OSでは,医歯薬学・生命科学上の成果に結びつく実際的な支援を,AI技術によって実現しようとする取り組みを広く募集する.2024年度に「医歯薬学・生命科学の革新を目指した言語処理」と題して開催したOSを、画像や音声といったあらゆるモダリティに拡大して実施する。未知の副作用の検出,創薬,新規タンパク質の創生などの挑戦的な研究支援に加え,LLM・LMMを活用した新たな研究アプローチの提案,臨床現場での実用化に向けた取り組みなども歓迎する.研究の規模や手法は問わない.実際の医歯薬学・生命科学的成果を挙げられた研究に限らず,それを目指す途上の研究も歓迎する.第1回の議論を発展させ,言語・音声・画像・動画・3Dモデル等の処理技術が工学として他の研究領域にもたらす方法論上の革新可能性について,さらなる知見の共有と議論の深化を目指す.
- 研究支援システム
- 医療情報学
- 医薬品情報学
- 生命情報学
- 大規模言語モデル
- 大規模マルチモーダルモデル
2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)
オーガナイズドセッション「医歯薬学・生命科学の革新を目指した言語処理」
日時:2024年5月30日(木) 09:00 〜 10:40, 15:30 〜 16:30
会場:アクトシティ浜松+オンライン
オーガナイザ
- 矢田 竣太郎(奈良先端科学技術大学院大学)
- 荒牧 英治(奈良先端科学技術大学院大学)
- 河添 悦昌(東京大学)
- 堀 里子(慶應義塾大学)
内容・テーマの例
- 自然言語処理
- 大規模言語モデル
- 臨床テキスト
- 患者テキスト
- 論文テキスト
医療言語処理合同研究会 2022
概要
プログラム
発表時間:発表15分+質疑10分
14:00-14:05
14:05-14:30
14:30-14:55
14:55-15:20
15:20-15:40
15:40-16:05
16:05-16:30
16:30-16:55
16:55-17:00
オープニング
進藤 裕之 先生(奈良先端科学技術大学院大学)
タイトル:entity-awareな文脈化単語埋め込み表現について
概要:文脈を考慮した単語埋め込み表現は、自然言語処理の様々なタスクに用いられている。これらの単語埋め込み表現に対して、医療や化学などの専門分野の知識を取り込むために、我々がこれまでに開発してきたentity-awareな単語埋め込み表現の手法と、近年の研究動向について紹介する。
柴田 大作 先生(東京大学大学院医学系研究科)
タイトル:疾患の表現型を活用した生成テキストの新しい評価方法の提案
概要:機械翻訳などの生成タスクの評価では、参照文と生成文の類似度が重要視される。一方、医療テキストの生成(例えば、症例報告タイトルからの症例報告テキストの生成)においては、生成されるテキストが参照文と類似していることよりも、医学的な間違いを含まず、タイトルの意味に沿ったテキストを生成することが重要であると考えられる。そこで本研究では、症例報告タイトルからの症例報告テキストの生成タスクにおいて、疾患の表現型を活用した生成テキストの評価方法を提案し、その有効性について検討する。
清水 聖司 氏(奈良先端科学技術大学院大学)
タイトル:VAEによる症例報告生成
概要:事前学習済み言語生成モデルは、流暢な言語を生成できるが、出力をコントロールすることが難しいという課題がある。一方で、画像生成の分野では、VAE等の手法を用いて、潜在空間において生成の条件を操作をすることで、出力を操作する方法が提案されている。コントロール性の高い医療テキスト生成を実現する第一段階として、VAEベースの症例報告生成とその評価を行う。
休憩
樋口 千洋 先生(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)
タイトル:食品オントロジーの構築
概要:医薬基盤・健康・栄養研究所他関連機関での食品統計調査を意図し、国民の検討栄養調査の食品群から食品オントロジーFGNHNSを構築しBioPortalで公開した。現在さらなる拡張を計画している。欧米のFoodOnエコシステムでは、Compositional Dietary Nutrition Ontology (CDNO; https://obofoundry.org/ontology/cdno.html)があり、栄養と化学物質との関係づけを意図して開発をすすめている。本取り組みについて紹介する。
大野 由紀子 氏(慶應義塾大学大学院薬学研究科病院 薬学講座)
タイトル:自然言語処理システム MedNER-J を用いた服薬指導記録分析
概要:自然言語処理システム MedNER-J は医療文書から日本語の病名を抽出するシステムであるが、服薬指導記録の様な患者の発話を含む文書の学習や分析はなされていない。服薬指導記録は他の医療記録と比較して副作用に関する情報を多く含むため、服薬指導記録を分析することで副作用に注目した情報抽出が出来る可能性がある。
本研究では MedNER-J を用いて、服薬指導記録から特定の医薬品の副作用情報を抽出できるか明らかにすることを目的とした。慶應義塾大学病院でセファゾリンナトリウム (CEZ) を投与された患者の SOAP 形式で書かれた服薬指導記録を MedNER-J で分析し、その性能を適合率、再現率、F値によって評価した。抽出結果と CEZ の副作用との関連を調査し、 MedNER-J による服薬指導記録分析への応用可能性を検討した。
渡部 哲 氏(慶應義塾大学薬学部 医薬品情報学講座)・淺野 真輝 氏(慶應義塾大学大学院薬学研究科 医薬品情報学講座)
タイトル:自然言語処理を用いた乳がん患者テキストの特徴分析と患者の悩み抽出手法の提案
概要:SNS上には乳がん患者自らが発信したテキストが蓄積しており、患者の経験・日常の悩みといった内容が豊富に含まれる。こうした情報の活用はさらなる患者ケアの充実につながる可能性がある。そこで本研究では、クラスタリング手法を用いた患者テキストの特徴分析を行うとともに、自然言語処理モデルBERTを用いて患者の悩みを5種に絞って抽出するマルチラベル分類器を構築した。
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