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新しい「学問」に新しい「方法論」で挑む

当研究室は,日本唯一の「ソーシャル・コンピューティング」の名を冠する研究室です.
Twitterなどのソーシャルメディアデータ,医療ビッグデータ,スマートデバイスに蓄積されたコミュニケーションデータなどあらゆるデータを使って,新しいサービスを生み出す研究を行っています.<ソーシャル・コンピューティング>という学問は新しく,明確な定義が定まっていませんが,俯瞰的な視点で人々の生み出すデータを解析し,実社会に還元するサービスを作るという応用指向のデータサイエンスであると考えています.このソーシャル・コンピューティング学を実践するため,当研究室は複数領域の専門家が協働しながら研究を推進し,成果を積極的に社会に還元することを目指しています.特に,医療テキストの自然言語処理(医療言語処理)ソーシャルメディア応用の2つの分野においては日本をリードする役割を果たしています.

研究室の特色

常時,社会実装や臨床応用を目指す複数のプロジェクトが並走し,大学の情報学研究室としてはトップクラスの規模で研究を推進しています.コアとなる技術として以下を研究しています.

  • 自然言語処理(特に,電子カルテなどの専門テキストの深い言語処理,TwitterなどのWebテキストの頑健な解析);JST-CREST「バイオDX」の代表研究機関となっています.
  • 計算社会学(Webテキストからの社会問題,動向の解析及び政策検討)
  • 地理情報・時系列解析(ソーシャル・メディアテキストの位置情報解析など)
  • 心理測定(音声発話,記述テキストからの話者・執筆者の心理・健康状態の推定);JST未来社会創造事業「個と場の共創的Well-being」を実施しています.

上記の研究を実施するにあたって,当研究室は,研究を専門とするスタッフだけでなく,

  • データやリソースの構築・調査を専門としたデータスタッフ
  • 患者さんの対応や病院との共同研究のコーディネートなどを通して医療研究を支える臨床スタッフ
  • 心理実験デザインや統計解析をサポートする統計スタッフ

など,様々な分野の専門家から構成され,研究において緊密に連携します.このような多職種協働は,生物学,物理学や医学研究ではよく見られますが,情報学においては珍しいスタイルであり,多くの共同研究を実施する本研究室ならではの恵まれた研究環境だと考えています.特に,事前の準備と大規模な人数が必要な医療研究には継続的な実績があり,大規模カルテ解析や長期臨床実験など,スケールの大きな研究にも積極的に取り組んでいます.

教育について

当研究室は,ソーシャルメディアの情報学的応用や医療言語処理において第一線の研究を牽引できる国際的人材の育成をミッションとしています.そのための取り組みとして,

  • 学際的スタッフの協働による質の高い研究指導,
  • 企業や医療機関との共同研究の推進および学生の派遣,
  • 国内外のインターンの受け入れ,
  • 外部有識者を招いた勉強会(ジャーナルクラブ)の開催

などに注力してきました.これからも,熱意のある皆さんとご一緒できますことを心より願っております.

入学希望の方(学生)へ

当研究室への入学・研修を検討されている方に対し,随時,研究室見学やインターンシップでの研究室滞在を歓迎しております.いつでも見学会インターンを利用ください.また,よくある質問もご参照ください.学生への経済サポートに関しても相談を受け付けています.

研究者の方へ

本研究室では,特任准教授,特任助教,博士研究員を常時募集しています.当研究室が目指す研究は複数領域の専門家が協働しながら研究を推進し,成果を積極的に社会に還元することです.そのため,自然言語処理,医療情報学,ソーシャルメディア応用にとどまらず,さまざまな専門の方の参加を歓迎しています.これまでも,言語学者,心理学者など多彩な専門家にご参加いただきました.スタッフ・学生の熱意,共同研究・研究プロジェクトの多様さ,予算などの設備,研究へ専念できる環境,いずれも本邦の最高レベルだと自負しています.ご興味をお持ちの方は,メール (荒牧 aramaki [at] is.naist.jp) にてお問い合わせ下さい.以下に,現在,推進している研究例を載せています:

2022年度-2028年度CREST「リアルワールドテキスト処理の深化によるデータ駆動型探薬(NLP探薬)」(代表:荒牧)プロジェクトを実施し,
自然言語処理を用いて医薬品の新たな使用法の探索を行なっています.

2021年度より,JST未来社会創造事にて,「個人の最適化を支える「場の状態」:個と場の共創的Well-beingへ」(代表:京都大学・内田由紀子)がスタートしました.
「場」の状態を計測し,よい「場」を生み出す研究をしています.

2020年度から「医薬品安全性監視のための言語を超えた知識強化情報抽出」通称,KEEPHAプロジェクト(代表:RIKEN・松本裕治)にて,ソーシャルメディア上のデータから医薬品情報を抽出する研究を,ドイツ,フランスと行っています.

2020年度からSICORP「プライバシー強化型の移動・社会相互作用分析によるハイパーローカル危機監視とパンデミック対策(代表:京都大学・吉川正俊)にて,ソーシャルメディアからCOVID-19に対する人々の反応を捉える研究をしています.

企業の方へ

共同研究のお申し込みなどにつきましては,こちらのページを御覧ください.